精霊の守り人 ~上橋菜穂子著 [本の紹介]
今、一番売れている・・・わけではないけど、高い評価を得ている児童文学作品を紹介。
で、これです。
腕の立つ女用心棒のバルサは、皇国の皇子チャグムをめぐる陰謀の中に巻き込まれる。彼の身体にはには異世界〝ナユグ〟に生まれた精霊の卵が産み付けられていたのだ。バルサはチャグムを守ることができるのだろうか・・・。迫り来る追っ手。異変をきたすチャグム。物語は皇国の成り立ちに関わる言い伝えを絡め加速していく・・・。
ううむ。唸りますね~。ストーリーが素晴らしい!!児童書でありつつ、
一級のエンタである!
でもって、
感動的な物語である!!
のです。戦闘場面もあるんですが、心に残るのは悩み、苦しみながら成長する少年の姿だったり、自分の命を賭けて彼を守ろうとする人々であったりする。
とにかくいい!(T▽T )ノ
野間児童文学賞
産経児童出版文化賞
路傍の石文学書
など、複数の賞に輝いた今作、続編が3つ、外伝が2つ出ています。
ちょうどハリポタが出始めた頃に一緒に読んだんだけど、こっちのほうが断然おもしろかったっす。目の肥えた読者にとってはこちらのほうが深くていい!となるはず・・・
大人が読むべし!!の児童書なのだ ではでは
ファンサイト もあり、熱烈にハマっている人が多くいます(^^)
夏と少年~③ 海の物語(灰谷健次郎) [本の紹介]
次は、児童文学の大家、灰谷健次郎さんの一冊を。
海の物語
灰谷健次郎 著 角川文庫
あれ、アマゾンで見つからない!ので画像なし(ノд;)うう・・・
浜辺の町を舞台に、腕利きの猟師である父と二人で暮らす健太。将来は「一の猟師になるんじゃ」と今から思っている。小学生だが、父と一緒に漁に出ることもあるのだ。
都会からの転校生可南子、担任の紀子先生との交流、言葉遣いは乱暴だがまっすぐに生きる猟師たちの姿・・・人がひたむきに生きるということを教えてくれる。
こうゆう物語ってやっぱ灰谷さんじゃないと書けないよな~。で、灰谷さんといえば「兎の目」「太陽の子」「天の瞳」がやはり代表作だけど、この物語もいい。教師の経験もあれば、島で漁をしながら暮らしたこともある著者の描写は、ほんとにこの人ならでは。すごいっす。
ともあれ、
会話が明るくて楽しい!(^^
ので、少し肩の力を抜いて読んでもいいと思う。
オススメ!! ではでは
夏と少年~② 四万十川―あつよしの夏 [本の紹介]
これも〝少年もの〟としては定番の一冊。
小学校三年生のあつよしは、おとなしい男の子。隣の席の千代子がいじめられていることに何もできず、それでもしかたがない・・・とあきらめていた。
飼い猫キイの子猫を守ろうとしたり、いじめっ子と堂々と喧嘩した兄との会話を通して成長したあつよしは自分が心の中で作り上げた「大蛇」と対決することになる・・・。
終盤まで、地味!じれったい!という感じ。読んでで「う~ん」読むのつらい・・・でしたが、
ラストがすごい!!
です。 ああ、 読んで良かった~ (T▽T )ノ
そこまでの下準備と思って、頑張って読みましょう。
文芸賞、坪田譲治文学賞を受賞。 ではでは
夏と少年~① 見えない敵 [本の紹介]
暑くなってきたので、夏の物語、それも
少年が主人公のひと夏の物語
を紹介していこうかと思います。 まずはこれ
心優しいケンジは、乱暴者だけど仲間には優しい面も持つアキラのグループに入っている。ケンジはふとしたことから新興住宅地に引っ越してきたカツミくんと友達になる。が、それは住宅地建設=遊び場が減った ことで「引っ越してきたやつらとは遊ぶな」というアキラの命令に逆らうものだった・・・。
魚釣り、隣の小学校との決闘、秘密の基地・・・ひと昔前の少年たちの様子がキラキラと描かれてます。で、そんな中に「ほんとは決闘なんてしたくないんだけど・・・」と思ってる少年が主人公。彼のような感情、悩みって誰でも共感できるものなんじゃないかな~。
中学受験の入試問題にもなったことあり。小6あたりで読むといいかも。
この物語のいいところは
ガキ大将のアキラも、実はいいやつ?
と思えるところ。
あの頃って、ともかく敵をつくって(想定して)、仲間の結束を高める・・・みたいなことがあったよね~確かに。アキラがいい!読んだ人によっては違う感想ももつだろうけど。
児童書って、ハードカバーで買うのが大変・・・高いよ _l ̄l○
でも、先日ブックオフでこの本見つけたから、古本屋で探すってのも手かも。
このへんで失礼、ではでは
もう一度キックオフ [本の紹介]
もう一つ風野潮さんの作品 ( ̄▽ ̄ )ノ これもええぞ~♪
女子中学生・ハルはサッカーが大好き。小学生の頃から男子にまじってプレーしていた。が、引っ越した先のサッカー部では女子であることを理由に入部が認められない。
土手に寝転んで
ああー、もうっ!サッカーがしたい、サッカーしたいーっ!
って叫んだとたん、目の前に火花が散って・・・。
ハルの中には元Jリーガーの友也の意識が入ってきてしまった。ひとつの身体を共有しながら、二人はそれぞれの夢に向かってボールを蹴る・・・。
いい本です!小学生高学年くらいがちょうどいいのかな~。明るく笑えるところもあったりして、さわやかな青春小説になってます。友也の大阪弁もいい感じです(^^)
よくある設定のようだけど、ストーリーやキャラの心情がしっかり書けてる。それに、子供らにとっては「よくある」かどうかはあんまし関係ないしね。もちろん、大人が読んでも楽しめます、はい。
これ、ドラマにしたらけっこういけるかも・・・
と思ってみたりしました。ドラマも映画もいい〝原作〟がなかなかないから、こうゆうの探してるんじゃないかな~。 でも演技下手なへっぽこ女優さんにはやってほしくない・・・と勝手な感想を述べつつこのへんで。
ではでは
ビートキッズⅡ [本の紹介]
ビートキッズ の続編。今回も面白くて泣けるっす。(T▽T )ノ
高校生になった英二は吹奏楽部じゃなくて、
ロックバンドのドラマー
になってる。で、気の合うバンド仲間とロックフェスティバルへ向けて練習したりしているのだが・・・。
色々な問題や困難が立ちふさがるんです、はい。
でも、ちょっと恋愛のどきどきとかも少ぉ~しだけ書いてあったりで、前作より成長した英二が見られるね~、がんばれよ!って声をかけたくなる感じ(^^ )
今回も作品全体を流れるすがすがしさは健在。作中で
花火がはじけるような、スコーンと突き抜けたビートを打つことが、
何より楽しいねん。
って感じで。
また、
それはたぶん、ビートの中にあるはずなのに、聞こえてこない音・・・『オフ・ビート』の存在を知ったからなんや。
って感じで、著者もけっこう音楽やってるんだな~とわかる描写が随所に。音楽好きな人やバンドやったことある人だと
( ..)(・・ )(..)(・・ )ウンウン
とわかるかも知れません・・・。
児童向けではありますが、
一級の青春小説である!!
と力説して〆ます。 ではでは
ビートキッズ (風野潮 著) [本の紹介]
気に入った作家の、気に入った本を紹介。まずは風野潮さんから。
中学生の英二はアホやし運動神経もないけど、抜群のリズム感を吹奏楽部の部長、七生(ななお)に見出される。
心やさしい英二 と 美形で音楽に関しては天才であり、
かなり唯我独尊男の七生
は、反発することもあるけれど、次第に友情が生まれていく・・・。
児童文学作家としての彼女の出世作。今なお多くの小中学生に愛読されています。
セリフが大阪弁 で、なんとも楽しいっす。
野間児童文学新人賞をはじめ、数々の賞を総なめにした、けっこう有名な本。もちろん、大人が読んでも大満足できるはず。
泣きたいとき~
すがすがしい気持ちになりたいとき~
におすすめでございます。
著者の公式HPもあって、感想を書き込むこともできます。
で、忙しい合間をぬって、ご本人が書き込んでくれることもあり。
映画化もされてるよ(^^) ではでは
老人と子供もの④ ポプラの秋 [本の紹介]
思いついたんで、立て続けにもう一つ紹介。「夏の庭」の湯本さんの本です。
今度は少女が主人公。父親をなくした小学生の「わたし」は母親と一緒にあるアパートに移り住む。そこの大家さんのおばあさんは「とにかくこわい」存在だったが、一緒に過ごすことが多くなった「わたし」は次第に・・・。
これは児童書なのかな~大人になった主人公の回想が入っていて、大人の視点で書かれていることがけっこう多いので
大人向けの児童書
かもしれない。特に女性が読んで共感できるのでは。もちろん、おいどんが読んでもなかなかぐっとくるものがありました。
老人と子供もの~ のネタはこれにて終了! 次はどんな本を紹介しようかいな。
老人と子供もの③ ザリガニ同盟 [本の紹介]
調子に乗って、老人と子供もの、第3弾。今回は
小3~5あたりが対象の児童書
ですよ、お母さん。
2人の少年が公園の池で<帝王>と呼ばれる大ザリガニをつかまえる。しかし、それはシラサギとあだ名されるおじいさんにとって、特別なものであった。それを知った二人は・・・。
少年2人とおじいさんの心の交流がすがすがしく描かれています。で、
友情というか、確かな絆
が生まれる。これが何とも心に残るわけです、はい。
泣けてきたっす、ほんと・・・(T▽T; 読書感想文にまよったら、これをすすめてあげてね。
このへんで失礼
ではでは
老人と子供② 西の魔女が死んだ(引用) [本の紹介]
さて、次はやっぱり「西の魔女が死んだ」だな~と思っていたら、偶然、この本を紹介してる人を見つけてしまった・・・。
しかも文章がうまい・・・ ( ̄▽ ̄;自分で書くよりいいかも・・・
ということで、
ラムネさん
の文章をお借りします・・・・と一度は全文を引用したのですが、
トラックバック(実は初めてだったんです・・・)=引用
と勝手に解釈していまして・・・( ̄▽ ̄;アセアセ
どうやらそうゆうことではないと気付いたので、自分で書くことにします。でも、リンクしたので
ラムネさんのも見てください^^
登校拒否の女の子〝まい〟が主人公。で、学校に行けなくなった理由ははっきりと書かれないまま、彼女はイギリス人のおばあちゃん(血縁です、ちゃんと)としばらく一緒に暮らすことになる。で、今の子供たちって家事やその他の仕事をみ~んな親にやってもらってる。まいもそんな感じで、
「私は何もできない」「早起きも苦手だし」
だった。でも、やさしく導いてくれるおばあちゃんのおかげで早起きする、家事をする、自分に与えられた仕事をきっちりこなすことを覚えていく・・・。
子供に接する仕事をしている人は、読んだほうがいいと思う・・・
って、いきなり仕事上の感想ですいません。子供を「導く」って難しい。させてみて、ほめてあげて、自信をつけさせて・・・そんな過程が丁寧に書かれています。それはまいの心がしなやかに再生していく過程でもある。
ちょうど5月ごろって学校へいきたくな~い って子がちらほら出てくる時期。新しい環境に慣れることができなくて、疲れちゃうこともある。そんなときに頭ごなしに
「とにかく行きなさい!!」
じゃなくて、やさしく見守る精神的余裕が大人のほうにもあったらいいな~と、少しずれた感想も持ちつつ、
ラストがよかった! (T▽T )ノ
で、〆たいと思います。
ではでは